チェンマイの日々  2006.1/4~11
子供が幸せそうだと、いい町だなって思う。歌いながら、笑いながら、ずっとずっと歩いていった仲良し友達。
チェンマイに行こう、って思った。
前からチェンマイに生活の半分を移してる素敵な夫婦が誘ってくれてる、っていうのもあったけど、何より、
去年の暮れに、パズルがカチって合うみたいに、行こう。って思ったからなんだ。

2006.1/4(wed)

成田からバンコックへ。
バンコックではぼーっとしてたらトランスファーしないで、パスポートのチェックも済ませて、外に出てしまった。
あれあれ。
そこからバスに乗ってドメスティックのポートへ。旅行者はほとんどいない。
まあ、いいや。それにしても暑い!!
セーター、厚手の下着、遠赤外線のホットなストッキング、ニットキャップをトイレで脱いで手荷物バッグに。
ふ~。夏だ!あっと気が付くと時間がない!普通は建物の中を国内線に乗り換える所を外に出てしまったために、
えらく遠回りしてたのかも。あせって搭乗口へ。
バンコックからチェンマイは1時間程。
チェンマイにはY夫婦がお出迎え、のはずが、いない。それに荷物も出て来ない。
良く考えたらパスポートのチェックをバンコックでやってしまった為、日本から来てる旅行者とは違う国内線出口から
出る事に、、、。で、又外を歩いて、出迎え口から荷物受け渡し所へ。
あたふたと歩いてる所を「エリ~、どうしたの~?どっから出てきたの~?!」とY夫婦に背中から呼び止められる。
あ~。感動的な再会の場面なのに、まったく間抜けな状況だ~。

チェンマイの町を見おろせる素敵なマンションに住んでるY夫婦が一部屋空けて泊めてくれる事に。うれしい!
センスのいい家具と天蓋付き、バス付の部屋。これでゆっくり出来る!
この時点で気付く。これって、初め思ってた一人旅とまるで違う!
本当はバックパッカーが泊まるゲストハウスを探そうと思ってたからね。素敵なスタート!

2006.1/5(thu)

朝起きると素晴らしい景色。ゆったり流れるピン川。美しい橋。大きな樹。
緑に隠されるように佇む寺院。

お昼はワロロット市場の『ナイナイ』というアジアの服を置いてる店をのぞいたりしながら、お勧めの屋台でご飯。
ダイコン餅と野菜を炒めたのと、平打ち麺を炒めたのを食べた。すごく美味しい!辛くてちょっと甘くて、じゃん
じゃん食べちゃう。チェンマイに来ると太るのよ~。と言ってたK子さんの言葉に、なるほど!とうなずく。

チェンマイに来たら、やっぱりマッサージよね!ということで、ターペー門そばのマッサージ屋さんへ。
入口でタイマッサージ2時間コースを申し込む。ここは階段を上がって2階がマッサージ室になっている。
パジャマみたいなのに着替えて、4つくらい並んでるマットの一つへ。足をかなり丹念にやってくれる。
足からだんだん上に上がって顔や頭のマッサージまで。身体があたたかくなっていくのが分かる。
やってくれる女の人は隣でマッサージしてる別の女の人と世間話しながら。ゆるーい感じ。
じっくり揉みほぐしてもらって、200バーツ。(約600円)申し訳ないくらい安い。

チェンマイはレンガのお掘に囲まれた旧市街とターペー通りを中心に広がる新市街の2つから成り立ってる。
お掘の上には人専用の橋がかかっている。真中あたりに屋根がついててかわいい。掘はいい感じに古くて堅固な雰囲気。
でもヤシの木が生えていたりして、あんまり重く感じない。

チェンマイは花の町でもある。橋にも手すりの所に、マリーゴールドのような黄色い花が飾ってあった。
町のあちこちには水蓮鉢が置いてあって、かわいい花を付けてる。花屋さんでも蓮の花は必ず置いてある。かわいい。
あと、チェンマイはオーキッドの栽培もさかんなので、あちこちで野の花を植えたように蘭の花を見る事になる。
緑や花が多いと、本当に嬉しくなる。

さてさて、どこの国に行っても市場は楽しい!
チェンマイに行く前は、鳥インフルエンザもあるしな~、なんて思っていたけど、何のその。やっぱり、市場でしょう!
得体の知れない魚が内蔵を出されてお腹を上にして並べられてる。赤いのは血だ。ほら、新鮮な血でしょ!といわんばかり
に、洗い流しもせずに並べられてるんだ。バケツの中にはウナギらしきものとナマズらしきものが。
タイで嬉しいのは果物の種類が多い事。そしてどれも絶品!その中でも料理にかかせないのが、ライム。一山20バーツは
60円ってことだ。少しだけタイの通貨に馴れてくる。
お金に馴れてくると、生活してる気になる。
ちゃんと、小銭が使えて、その土地の乗り物に自由に乗れるようになると、もうこっちのもん!

窓から見えるピン川。美しい橋。
美味しい屋台
手前はダイコン餅。Y氏はまるで土地の人!タイ語であれとこれを焼いて、とか言ってる!
掘に架かる橋には屋根が。
掘をぐるりを囲ってる壁
魚屋さん
花屋さん
ピンクのダッシュボードのトゥクトゥク

2006.1/6

今日はY夫婦のマンションでホームパーティーがある。
で、私は当然、歌う事に。
ギターは知り合いの知り合いが貸してくれるらしい。
そういやろくな服も持たずに来たので、前日行った『ナイナイ』へ衣装探し。
ちょっとインドっぽいワンピース発見!よしよし、これで衣装はOK。
その帰り、ワインや野菜や果物を買って、食べ物は前のタイ料理屋さんからデリバリーする事に。
チェンマイでは何よりワインが高い。
日本と同じくらいか、それ以上だ。

パーティーには素敵な人達が集まった。総勢12名程。
以前からチェンマイに来たら会せたいトゥックというミュージシャンがいると聞いてた。
彼も来てくれた。で、一緒に歌ったよ。
時々私が歌うカバー曲で『花』という曲があるのだけど、それを歌い出したら、彼もタイ語で2番を歌ってくれた。
素敵な声だった。ちょっとハスキーな甘い声。彼はチェンマイでは有名なロックギタリストだ。
ブラッセリーっていうライブレストランのオーナーでもある。
南正人さんと友達で、日本でもツアーをしたらしい。
幸せなキーマオ(酔っ払いの事)になった私とまるでイタリア人(?)のようなトゥックの写真は私の宝物になった。

パーティーで私の歌を聞いて、シルバーのお店をやってるパトリックに、翌日7日に開催されるチャリティーライブに
出ないかと誘われる。彼もチャリティーライブに関わってるらしい。何だか分からないまま、オーケーする。
チェンマイに来た途端、ライブのお誘いなんて、素敵だ。

スイレンはあちこちで咲いてる
トゥックは超人気のギタリスト&ボーカリストです。

2006.1/7(sat)

チェンマイ郊外の滝の見えるお店へ。
滝を見ながら美味しいタイ料理が食べられる。
美味しすぎて食べ過ぎだ!
食事の後は滝を見にいく。
川ぞいを歩くといろんな花が咲いてる。
一番気に入ったのは右の白い花。枝垂れ桜のような柔らかな枝が釣り下がってる。
花びらの形もがくの形もかわいい。
この枝を頭に飾って踊ったりして、いろんなアクセサリーのデザインが生まれたんだろうな。

夜9:30頃、チャリティーコンサートが行われてるターペー門の前へ行く。
昨夜のパーティーの仲間も集まってくる。

チェンマイの山には様々な山岳民族達が生活をしているのだけど、その中の一つ、カレン族のサポートをしてるグループが主催したコンサートだ。
カレン族が今までの生活を続けて独自の文化が守られるように、と思う。

そんな気持ちとは別に音響は酷かった。
マイクはずっとハウッてるし、音はペラペラでキンキン。
最後に演奏するはずのトゥックは、ミキサーに指示して何とかしようとしたのだが、途中で断念。
「君はここでは歌わない方がいい。僕もここではやらない。僕の店に行こう。そこで歌わないかい?」という事になって急遽彼の店ブラッセリーへ。
ギターを返してしまった為、E.ギターを弾くはめに!
生まれて初めてE.ギターを人前で弾いたよ。
それもアルペジオだよ。
トゥックはもちろん、彼のバンドのキーボードの人も参加してくれて、前日にやった『花』を歌った。
お客さんも皆、歌ってたよ。
いつか、じゃなく、もう、花はいっぱい咲いてた。

そんなライブを見てたチェンマイ情報誌の編集長、浦野さんが、僕のラジオ番組に出ないか、と言う。
彼はハッピーラジオという番組の月曜日担当だ。
あっちにいる日本人向けに番組を作ってる。
その番組はインターネットで世界にも配信されてる。
初めてのチェンマイ一人旅でラジオに出る事になるなんて!
嬉しくて楽しくて気がくるいそうだ。

この先に滝の見えるタイレストランが。
サワッディーカー!

2006.1/8 (sun)

お昼は「ミ・カーサ」というイタリアンランチ。
そこでもライブをやってた。ノラ・ジョーンズみたいな爽やかな声のタイの女性ボーカリスト。
チェンマイは音楽の町でもあるようだ。

その後、月曜日のラジオ出演の為の曲をダウンロードしに、浦野さんのオフィスへ。
簡単にうまくいくと思ったら大間違い!チェンマイのネット事情はまだかなり遅れてるみたいだ。
ADSLだというのに、異常に遅い。で、ダウンロードの途中でダウン!しゃれにもならない。
こんな時に頼りになるのは、天下のこんちゃん!
私が持って行った3G携帯であっという間にコンタクト取れて、MP3のファイルをアップしてくれる事に。
そんな事しながら、すでに5時間も経過。お。私仕事してるじゃん、と思う。

その後、何とか解決!
サンデーマーケットへ行く。バッグや服や置き物や食器が道の両側にぎっしりと並んでいる。屋台も出てる。
串あげみたいなのを買って食べた。甘辛いソースがかかってて、それをビニールに入れてくれる。
ぷらぷら歩いていると、「エリさん!という声」パーティーで会った熊本のアジア雑貨店をやってるEちゃんとMっちーだ。
彼等は毎年買い付けにアジアの国を回っているようだ。明日ラジオのスタジオに見に来るという。「明日ねー!」と別れる。

2006.1/9 (mon)

今日はラジオ。ワロロット市場でうろうろした後、待ち合わせの場所へ。
浦野さんのバイクに乗って、ハッピーラジオのスタジオへ。Mッチー&Eちゃん夫婦ももう来てた。

HAPPY RADIO 98.5 午後3:00-4:00まで。
http://www.happyradio.org/
『CRYSTAL CLEAR WATER』『桃の木の下で』『三日月になるだけ』『千の夜と一つの朝』を流してもらった。
日本以外で自分の曲が流れるなんて、幸せだ。浦野さんのガットギターを持って来てもらって、生演奏で『好きにならずにいられない』を歌う。
この町の恋人達に向けて。あっと言う間の1時間。私の歌は誰かに届いたかな?

ラジオの収録の後、Mっちーのバイクでスーパーを回ってマンションまで送ってもらった。
風が気持ちいい。まるでずっとここに住んでるみたいな感覚。
それは本物じゃないけど、確かに素敵な日常だったんだ。
トゥクトゥクや車の渦をすり抜けて、脇道を走る。
人の家の庭にはバナナが実ってる。
ゲストハウスのテラスではヨーロピアンがぼんやり本を読んでる。
市場で夕食の買い物をしてる主婦達。
この6日間に通り過ぎた時間や人達。まるで風だ。その風の中で、きっと私はどこかが変わってしまったんだと思う。
というか、必死に握りしめていたものを風に放してしまったのかな。
そして私というフィルターだけが残る。それは確実に叫んでる。どうなろうが、私だよと。

明日の夜には日本へ向けて発つ私の送別会と称して、Y夫婦が北京ダックをご馳走してくれた。
そのお店では一日に5羽だけテーブルに乗るらしい。
もう、何だか、ほんとうに幸せだ。こんちゃんを連れて来てあげたい。
一人美味しい思いして、ごめんーって思う。

2006.1/10 (tue)

今日は、日本にいる時から聞いてたシルバーの指輪を作るワークショップへ。
10:30から16:30までの間でシルバーリングの作り方を教えてもらえる。
シルバーの板から必要な銀をカットする所からやってく。
焼いて柔らかくしたり、丸くして繋げたり、すじを付けたり、穴を開けたり。たのしーーーー!

お昼休みには土地の人しか来ない食堂へ。
ご飯にそぼろとハーブを炒めたものと卵焼きが乗って、キュウリが添えられたものを食べた。めちゃうま!
これは20バーツ。60円だ。

シルバーリングを仕上げて、急いで荷物を取りに帰って、その後エアポートへ。
ワークショップの先生、ヌグーンとJ子が車で送ってくれる。
皆、そんなに優しくなくていいよ。日本に帰ったら又、一人でバシバシやらなきゃならないんだからー。

初めて来たのに懐かしい街チェンマイ。気負わず、楽になれる街チェンマイ。
きっとどんな人にとっても、居場所を持てる、そんな特別な街だ。
こんな私に素敵な人や物と一杯出会せてくれたY夫婦。自分の店で歌わせてくれたトゥック。
ラジオでお世話になった浦野さん。一緒にラジオ収録に参加してくれたMッチー&Eちゃん夫婦。
最後の日、一日つきあってくれたJ子とシルバーの先生ヌグーン。
本当に本当にありがとう。

次回来る時までに又新しいアルバムも作ろう。
それまでにもうちょっとタイ語を勉強しなきゃ!

チェンマイ、さんきゅ。又、来るね。

ヘッドフォンがずり落ちてくるのでTシャツかませてます。
浦野さんと。
シルバーの工房。叩いたり焼いたり、、。
こんなちっちゃい小犬も野犬。時々足をピクピク。夢でも見てる?どの野犬もゴハンもらえて、幸せ。ひたすら寝てます。